ホルモン療法に化学療法を付け加えた方がいいでしょうか?LHRHアゴニストの併用は必要でしょうか?

2020年6月8日  , 

月の下旬に右胸の乳頭腺管癌で乳房温存手術を受けました。45歳、閉経前です。
これから放射線治療を受けるのですが、化学療法をするかどうかで悩んでいます。
浸潤径2.2cm、核グレード2、脈管侵襲・リンパ節転移なし、断端陰性、Ki-67 39%、ER、PgR共に陽性(3b)、HER2陰性で、Oncotype-DXはしない場合、
ホルモン療法とホルモン療法+化学療法の二択ならどちらを勧めますか?
(ホルモン療法はタモキシフェンの予定です。)
また、ホルモン療法にLH-RHアゴニストを追加する必要はないでしょうか?

質問者の病理検査の結果からは、Ki67高値のみが問題点としてひっかかると考えられます。39%はやはり高いですので再発のリスクが残りますので、当科であれば化学療法(TC療法)を考えてみてはいかがでしょうか、とご説明すると思います。

ホルモン療法については、35歳以下、リンパ節転移あり症例では積極的にLHRHアゴニストの併用をお勧めしますが、質問者の例ではタモキシフェン単剤をお勧めするかと思います。ただ、これは絶対にどちらか、という訳ではなく意見が分かれると思います。化学療法ほどの侵襲がありませんので、少しでも安心するのであれば、併用をお勧めいたします

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行