ホルモン療法を受けるべきかどうか迷っています。ホルモン療法の目的と必要性について教えてください

2020年9月17日   

現在52歳です。左胸に1.8cm、ステージ0の非浸潤がんと診断され、6月に乳房温存手術、8月に放射線治療を受けました。断端検査もがんはなく、きれいにとれていると言われています。
手術後に、ホルモン療法(アロマターゼ阻害薬)をするかどうか、どちらでも良いと思うがどうするか?と主治医から聞かれています
手術の前には、乳房切除、または温存手術+放射線治療のどちらかを選ぶように言われましたが効果は同じとのことでしたので温存手術を選びました。全摘手術と同じ治療成績なのに、なぜ薬を飲む必要があるのでしょうか?
温存手術後のホルモン療法で1~2%程度再発率が違うという情報も見ましたが、放射線治療を受けている場合でも再発の可能性はあるのでしょうか?
またはホルモン療法を受けることで右胸にがんが新たに出来る可能性も低くできるということでしょうか?
更年期障害、骨密度の低下、関節痛など副作用が心配です。
骨密度を上げる治療薬もあるようですが、その薬も副作用があるのでしょうか。「骨密度が下がることは確実、食事や運動程度では改善できない」と言われ低下しても治療するほどではないと判断されると、そのままになってしまうのも心配です
骨密度は現在は同年齢平均109%、ピーク時点との比較は100%です。
再発のリスクかあるなら全摘手術で良かったのに、と悔やむ気持ちもあります。ホルモン療法を受けるかどうか、結論が出せずに悩んでいます。

まずは以下の既にいただいたご質問をお読みください

4ミリの非浸潤がんですが、タモキシフェンを内服するように勧められています。飲む必要があるのでしょうか?

非浸潤癌は転移はしないとの事ですが、ホルモン療法は必須なのでしょうか?

本当に非浸潤がんであればホルモン療法の必要性はありません。しかし、ある程度、2センチくらいでしょうか、大きさがあれば、その一部に浸潤がんがある可能性を考えて処方する先生もおられるようです。メリット、デメリットを考えて主治医と相談していただければと思います。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行