リンパ節転移の大きさは治療法の選択に影響しますか?

2022年1月11日   

昨年3月に乳がんの手術をしました。
術前はリンパ節転移のない腫瘍約1cmの乳がんでしたが術後はリンパ節の転移が1個ありました。術後KI値が高かったので抗がん剤をして現在はホルモン治療をしています。
手術をして頂いた病院から転院したのですがその際転院先の病院で術後の病理検査を再度して頂いたのですが転院前の病院ではリンパ節転移がマクロ転移1個と教えて頂きました。リンパ節の大きさを伺うとリンパ節の大きさは特にはからないとのことでしたが術前にエコーに写ってないので1cm以下ではないかとのことでした。
転院先の病院で再度病理検査をして頂いたのでリンパ節の大きさをお伺いしたらこちらの病院でもリンパ節の大きさは3段階にわける位で特に大きさははからないとのことでしたが
先生に約2cm位かなと言われとても不安に感じています。乳がんの元の腫瘍の大きさが1.3cmだったのですがその腫瘍経よりリンパ節の転移の方が大きいことはあるのでしょうか?リンパ節の転移は大きさよりも数でステージが決まるとのことなので大きさは気にしなくてもいいものなのでしょうか?
転院前の病院で抗がん剤をしたのですが抗がん剤の期間もTC療法を3カ月だったので治療が甘かったのではないかと不安です。(転院先の病院では抗がん剤6カ月を勧めたと思うと言われました。)

質問を拝見いたしました。

まずリンパ節のマクロ転移の定義は2mm以上の大きさのことです。術前の画像診断では診断できず、術後の病理で転移と診断されることはあります。また、乳腺の原発巣の大きさより腋窩リンパ節転移の大きさの方が大きいこともあります。術後治療はリンパ節の大きさよりも転移個数などで考慮することが多いので、質問者の場合は、リンパ節転移1個のホルモン陽性HER2陰性乳がんとしての治療になります。

3ヶ月(TC療法?)か6ヶ月(アンスラサイクリン→タキサン?)か、判断が難しいと思いますが、3ヶ月の治療でも十分かと思います。色々心配なこともあるかと思いますが、抗がん剤治療を3ヶ月間され、内分泌療法も現在受けられているとのことですので、標準治療はしっかりされていると思います。やるべきことはやったんだと自信を持って、計10年間の内分泌療法を継続していかれたらいかがでしょうか。

文責:広島総合病院乳腺外科 梶谷桂子