全摘か温存か?

2021年10月28日   

先日、針生検の結果が出まして、主治医から手術は部分切除を勧められました。(放射線治療やホルモン治療もするそうです)

私の生検の結果は、
位置: 右乳房上内側部(CとAの間)
浸潤性乳管癌(硬性型)
ステージ1
ER、PRともに陽性
HER2陰性
核グレード1
リンパ節転移はおそらく無い。
サブタイプは多分ルミナールA。
とのことです。

私は術後の再発や取り残しが怖かったので、全摘も考えていました
と言いますのも、右胸に癌とは別の小さなシコリ(2mm)が1つエコーで見つかり(Aの位置)、針生検の際に細胞診をしようとした所、シコリが動いてしまい細胞診ができず、良性か悪性か分からないまま経過観察となってしまったからです。
主治医の見立てでは、MRIでも異常がなかったので恐らく良性だろうとのことなのですが、どうしても引っかかってしまって。。

部分切除の際にこのシコリも取れないか聞いたのですが、位置が少し離れているから難しいとのことでした。

私の場合、再発リスクは数%なので放射線もやれば部分切除でもほぼ心配ないと主治医はおっしゃっていますが、もう一つのシコリについては経過観察としか言われていません。

今回リンパ節転移がなくてももし小さなシコリが癌だった場合、またリンパ節転移を心配しなくてはならず、更には全摘となった場合、既に放射線を浴びてしまっているので再建が難しくなってしまうことを心配しています。
もし全摘をした場合、私は自家組織再建で傷がパッチワーク状にならないようにエキスパンダーを入れて皮膚を伸ばし、一本線の傷で済むようにしたいのですが、放射線を浴びると皮膚が伸びないので、エキスパンダーを入れる再建ができなくなってしまいます。(再建相談をした形成外科の医師から確認済)

主治医は部分切除で済むので全摘することにはかなり後ろ向きです
かなり強く部分切除を勧めるため、私自身どうしたら良いか心が揺らいでいます。

主治医は小さなシコリも良性の可能性が高いので、部分切除を勧めているのか、或いは全摘だと手術時間が長くなるのが面倒で部分切除を勧めているのか、色々勘繰ってしまっています。

ちなみに私は40代半ばの既婚者なので、若い方と比べると全摘には抵抗はありません。

先生でしたらどの術式を勧められますでしょうか?

2mmの結節(しこりと言うには小さすぎます。)に関しては乳房MRIでも乳がんを疑う所見ではないようですので乳がん病変である可能性は極めて少ないと考えます。主治医の先生は2mmの結節は良性の可能性が高いので部分切除を勧められているのだと思いますので私も同意します。どうしても2mmの結節に関して病理学的な診断が必要と思われる場合には切開生検を受けることになりますが、乳房に余分な傷がつくのでそこまでする必要はないでしょう。経過観察中(6ヶ月~1年毎の超音波検査)に大きさや形に変化があった段階で改めて針生検ないしは細胞診検査を受けて頂ければいいと思います。万が一それが乳がん病変であってもかなり小さな病変ですのでリンパ節転移を心配する必要はないでしょうし、再度の部分切除も可能な場合もあります。

したがって現時点で推奨される術式は1.乳房温存希望がある場合には、乳房部分切除+センチネルリンパ節生検、2.乳房温存希望がない場合には皮下乳腺全摘+センチネルリンパ節生検+乳房再建だと思います。

私が主治医でも乳房温存の希望がある場合には、術式は乳房部分切除+センチネルリンパ節生検、2mmの結節は経過観察を推奨します。

 

文責:県立広島病院乳腺外科 尾崎慎治