採血の基準値が病院によって少し違いますが、大丈夫でしょうか?

2020年11月17日   

乳癌術後、定期的に地域連携の医療機関を受診しています。今現在では、再発、転移はありません。この度、病院が変わり、病院によって、血液検査の基準範囲の数値が若干違ってます。私は、以前から総コレステロールの数値が高いのですが、今回は、基準範囲内でした。しかし、前病院での基準範囲だと範囲を超えてます。CEAは、基準範囲は一緒だけど、CA15-3は、基準範囲4.3の差があります。

また、血液検査、エコー検査をする時は、前病院では検査する当日の何時間前には、飲食はしないで検査を受けており、エコーも乳房だけで無く、内臓も診ておられました。病院によって、違いは出て来るものなのでしょうか⁈いつも、再発、転移は気掛かりです。

血液検査の基準範囲が病院ごとに異なり、不安ということですね。
これは私も詳しくないので調べてみましたが、様々な要因が考えられるようです。例えば、各医療機関で統計的に算出されて固有に基準範囲が決定されたり、試薬メーカーの推奨を元にしていたり、外部委託先衛生研究所の値などいろいろな設定が存在しているようです。最近では、共用基準範囲といって各医療機関での基準範囲を統一するようなものもあるようです。
相談者様のケースでは、測定した施設での基準範囲を参考にされるのが良いと考えます。そして、腫瘍マーカーは経時的な変化が重要になってきますので、新たな病院での値が今後どのように推移するのかをみていくことが重要になってくるのではないでしょうか。
 また、腹部の超音波検査ですが、乳癌の術後では必ず行わなければいけないものではなく、行っていない施設も多いのではないでしょうか。行わないからといって不安になる必要はありませんが、それでも気になるというのであれば担当の先生に直接相談されてはいかがでしょうか。
文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行