放射線のブースト照射（追加照射）ではどれくらい効果があってどれくらい副作用があるのでしょうか？

ご質問ありがとうございます。もともと乳がんがあった場所（腫瘍床と呼んでいます）へのブースト照射のことと思います。乳房部分切除術（温存手術）の場合、手術を受けた側の乳房に全体的に放射線を照射した後、腫瘍床に追加照射をする場合があり、これをブースト照射と呼んでいます。ブースト照射は局所再発（手術した側の乳房内の再発）を減少させると言われており、20年で16.4%から12%に改善するという報告があります。若年者や、乳がんが切除断端の近くまで広がっている場合に効果が高いと言われています。そのため、年齢や乳がんの状況をよくみて、ブースト照射をするかどうかを決めている施設が多いようです。ブースト照射を追加することによる急性期の副作用はあまり変わりませんが、長期的（5～10年後以降）には照射を追加した部位が硬くなりやすいと言われています。

Ki-67はもともとは14%を区切りに考えられていましたが、残念ながら検査法や評価の仕方によって数値にばらつきが出てしまうという欠点があります。現在は、施設ごとに区切りの数値を決めることが推奨されています。15%で分ける施設もありますし、20～30%程度で分けている施設もあります。そのため、一概に20%が良くない数値ということはできませんし、Ki-67の数値だけですべてが決まるわけではありません。担当の先生とよく相談されてください。

文責：広島大学病院乳腺外科　笹田伸介