放射線治療ブーストの位置は正確なのでしょうか?

2021年1月29日   

初めまして。よろしくお願いします。
乳房温存手術を受け、今日1回目の放射線科を受診してきました。
ブーストもするのでその位置を決める時、先生が「自分でしこりに気付いたんですよね?どの辺りですか?確か乳首のすぐ下の所…」と言われて、実際にしこりがあったのは乳房の下の根元の部分…と言って分かるでしょうか?
乳房の下部の所で乳首のすぐ下ではなかったので、自分の手で大体しこりがあった部分を触って「ここら辺です」と言うと、放射線科の先生が「ここですか…?」とちょっと半信半疑な感じで「じゃぁここに印付けますね」と言ったんです。
何故先生がそんな聞き方をしたのかはわかっています。
それは、外科の先生の絵?か説明を見てそう言ったんだと思います
実際私が手術を受ける前の説明で、外科の先生が乳房の絵に印を付けていた時、「ん?正確にはそこじゃないのにな…」と思った事があったからです。
その時に私も「乳房の膨らみの根元の所にありました」と言えば良かったのでしょうが、手でも示したしな…と思って帰ってきたのですが、今になって、元の乳房と大きさも変わっているから、もしかしたら私が指した所がズレていたら…と不安に思ってしまいました
ブーストは、がんがあった所に集中的にやるという事ですが、その範囲は狭いものなのでしょうか?
自分の勝手な思い込みで外科の先生の説明(絵)が…と思っていましたが、手術する前と後では位置が少しズレているのかも…と心配になりました。
次治療してもらう時に、放射線科の先生に話してもう一度位置をちゃんと確認してもらった方が良いでしょうか?
回答頂けますと有難いです。

ご質問ありがとうございます。

手術操作を行った場所にはむくみなどの術後変化が生じるため、治療計画用のCTで手術操作を行った部位が判断できることが多いです。また、施設によっては、手術中にマーキング目的でクリップを留置することもあります。ブースト照射を行う場合には、術前の画像所見、触診所見、手術所見、クリップの位置(手術中に留置した場合)、術後病理結果や治療計画CTでの術後変化の部位などを総合的に判断して照射する範囲を決めます。

また、腫瘍周囲には微視的に腫瘍細胞が浸潤している可能性があるため、ブースト照射は腫瘍のあった部位からある程度、余裕をもって照射することが一般的です。

したがって、もともと腫瘍があった部位がブースト照射の範囲から外れている可能性は極めて低いと思いますが、放射線治療は患者さんに安心して治療を受けていただくことが何よりも大切です。ご心配であれば、次回治療時に、放射線治療医に不安に思っている点についてお話しし、治療の位置を確認していただくのが良いのではないかと思います。

 

文責:広島大学病院放射線治療科 西淵いくの