閉所恐怖症で、トモセラピーにはいることができません。どうしたら良いのでしょうか?

2020年7月10日   

東京在住の50代の者です。浸潤性小葉がんで、乳房温存手術をしましたので、放射線治療をうけることになりました。
しかし、病院にはトモセラピーの機械しかなく、閉所恐怖症の私にははいれません。左胸なので、トモセラピーのように、心臓部に負担なく治療でき、開放感のある治療機の名前を教えていただきたくメールいたしました。
よろしくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます。

リニアックという放射線治療装置であれば、閉所恐怖症の方でも治療可能と思われます。閉所恐怖症でMRIが撮像できない方でも治療可能な場合が多いです。この装置は、日本で最も普及している装置になります。

心臓への照射線量については、患者さんの胸郭の形と心臓の位置によって異なりますが、現在、一般的に行われている三次元放射線治療であれば、多くの場合、心臓への照射を避けることが可能です。ただし、患者さんによっては、通常の方法では照射範囲に心臓が含まれてしまう場合があります。この場合、深吸気息止め法により心臓への照射を避けることが可能です。深吸気息止め法とは、息を深く吸って呼吸を止めた状態で照射を行う方法です。息を深く吸うと胸郭が広がり心臓と乳房の間に距離ができるため、心臓への照射線量を下げることができます。この照射法はリニアックで行うことが可能ですので、深吸気息止め法を行っている施設で放射線治療を受けられるのが良いのではないかと思います。

 

文責:広島大学病院放射線治療科 西淵いくの