HER2陽性の微小浸潤癌ですが、ハーセプチンに加えて化学療法が必要でしょうか?

2020年6月12日  , 

2年前、ステージ0期の非浸潤がんで放射線治療とタモキシフェンを服用しておりました。今回、再発でステージIの微小浸潤がんで温存手術を受けました。手術をして下さった病院の見解ではホルモン治療のみで良いのではとのことでした。
今後、経過観察でお世話になる病院では、トラスツズマブ療法を1年間行うことに追加で抗がん剤治療も行った方が良いのではないかということでした。
①年齢が40歳代と比較的若いこと②タモキシフェンを服用していたにもかかわらず再発したこと③ER:4+1=5 PgR:1+1=2と低めであること④放射線治療を一度しているので出来ないこと等から抗がん剤治療もということのようです。
体への負担よりも再発に対する有効性があるのであれば行いたいとも思いますが、必要なければ行いたくないのも事実です。
このような場合、どのように解釈して今後の治療を進めていけばいいのか教えて頂きたいです。

ご質問有難うございます。今回再発した乳がんが全身に転移するリスクは低いと考えますが、温存した乳房に再度乳がんが再発するリスクがあります。乳がんが再発した場合、温存乳房に対する乳房切除および薬物療法が必要となることが予想されますので、再再発を予防する必要性は十分にあると考えます。既に放射線療法が施行されていますので、再発予防として薬物療法を行うことになり、この場合は化学療法+トラスツズマブ療法が有効と考えます。一方、ホルモン療法は治療中に再発を認めていることから、十分な再発予防効果は期待できません。化学療法+トラスツズマブ療法に伴う身体の負担ですが、45歳と十分にお若いこと、副作用の内容から十分に耐えられる範囲と考えます。ハーセプチン単剤のエビデンスは乏しいのでお勧めできません。

以上のことを検討いただき、化学療法+トラスツズマブ療法を行うかの判断をいただけたらと思います。

よろしくお願いします。

 

文責:呉医療センター乳腺外科 重松英朗