HER2陽性ホルモン陰性乳がんで術後ハーセプチン+パージェタ治療を行っていますが、めまい、視力低下があります。脳転移の症状でしょうか?

2020年6月2日   

HER2陽性ホルモン陰性乳がんで術前抗がん剤(EC.パクリタキセル)を行い全摘手術をしました。現在はハーセプチンとパージェタ治療中ですが、3か月程前からめまいがあり段々強くなってきました。ふわふわと浮くような感じで真っ直ぐ歩けない時があります。頭を動かすと脳味噌が揺れるような感覚があります。
指が上手く動かず物を落とすことが増えました。
視力も落ちています。これは分子標的薬の副作用でしょうか?
それとも脳転移の症状でしょうか?
よろしくお願いします。

めまい、浮遊感、趣旨の脱力、視力低下という症状から考えると、確かに脳の機能低下が考えられます。しかし、この症状だけで脳転移とは診断できません。ハーセプチン、パージェタの副作用という可能性もありますが、他の病気を否定してからになります。原因としては、(1)脳転移、脳梗塞などの脳疾患(2)内耳の異常(メニエール病など)、(3)薬剤の副作用などがありますので、主治医の先生と相談して、必要であれば脳MRI撮影を考えてみたらどうでしょうか?それで異常が無ければ耳鼻科で(2)を検討してもらってください。それらでも異常が無ければ(3)を考える、という手順になると思います。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行