化学療法をするべきかどうか、迷っています。OncotypeDXを受けるべきでしょうか?

2020年1月18日  , 

再発率と化学療法の上乗せが判断できる、oncotypeDXを検討しています。
両側乳がんで全摘しました。片方が術前が2.3センチだったのですが(ki 67=9%)乳管内にとどまったものも含めて結果的に腫瘍径が術後、3.6センチだったことがわかり、今のリュープリン+ホルモン療法だけで再発が心配です。(もう片方は1センチ)どちらのガンもER+、pgr+でHER2-、核グレードは1でした。リンパ節転移はありませんでした。受けるにしても保険適用外で高額ですし、結果受けても判断が同じであれば無駄とも思います。私の場合、受けるべきかどうか。さらにどういった方にoncotypeDXを勧めるかも含めてご教示ください。

乳癌の術後治療として化学療法をするかどうかについてですが、ホルモン受容体陽性HER2陰性の場合には
腫瘍の大きさ、核グレード、リンパ管・脈管侵襲の程度、ki-67、腋窩リンパ節転移の有無(個数)をみて総合的に判断します。
それでも判断が難しい場合には患者さんにoncotypeDXを薦めさせていただくことがあります。
ただ、おっしゃるように自費で高額となり、受けても判断が難しいこともあります。質問者様のケースを見てみますと、ki-67 9%、核グレードは1、リンパ節転移はない、というところまでは再発リスクは低そうです。
気になることは腫瘍の大きさでしょうか?通常腫瘍径とは浸潤部位の大きさであり、乳管内の部位は含みませんので、広がりが広いからといって再発リスクは
高くありません。両側乳癌だからといって再発リスクも上がるというわけではありません。以上のことから、私がこのような方を診察する場合は、ホルモン療法だけを勧めさせていただくかと考えます。oncotypeDXの話もしないかもしれません。
oncotypeDXを勧める方としては、ki-67が30%以上、リンパ管侵襲がある、核グレードが高い、がどれか一つだけ当てはまる方などかと思われます。
複数該当する場合は、化学療法をオススメする可能性が高いと思います。
以上を参考にして、どうされるか考えてみてください。
ご自身が納得する方法が見つかる参考になると嬉しいです。

 

文責:JA広島総合病院 乳腺外科  梶谷 桂子