エストロゲンレセプターがオールレッドスコアで3点でした。ホルモン療法はしていませんが、いいのでしょうか?

2021年1月25日  , 

乳がん診断時、HER2は3+、エストロゲン受容体は3/8、プロゲステロン受容体は0/8術前抗がん剤でpCRだったため、術後は残りの抗HER2療法と放射線のみで、ホルモン治療はしていません。
ホルモンが弱陽性でもホルモン治療しなくてもよかったのでしょうか?
そもそも、ホルモン陽性の定義を教えてください。
エストロゲンのみ陽性でプロゲステロン陰性だと、ホルモン陽性乳がんとはいわないのでしょうか?

まず、ホルモン受容体陽性の定義について、いくつかの考え方があることをご承知ください。

評価は、腫瘍組織を使用した病理検査の「免疫染色」という方法で行われます。現在、最も一般的な考え方は、エストロゲン受容体、プロゲステン受容体のどちらか一方でも、染色割合が1%以上ある場合、を「陽性」と判定します。

質問者様の場合、プロゲステロン受容体は陰性ですが、エストロゲン受容体が陽性か陰性かは、記載の内容では判断できません。Allred score(オールレッドスコア)の数値が記載されていると思われますが、このスコアは「染色割合(プロポーションスコア)」と「染色強度(インテンシティスコア)」の2つで構成されます。

オールレッドスコアが「3点」の場合、

・染色割合(プロポーションスコア)が「1点」 = 1%未満(陰性)

・染色割合(プロポーションスコア)が「2点」 = 1%以上10%未満(陽性、いわゆる弱陽性)

の2つの場合があります。主治医の先生の確認なさってみてください。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 笹田伸介