年齢48歳です。先日乳がんの手術をしました。右全摘です。
当初の診断では非浸潤性との事でしたが病理の結果、非浸潤が10cm、浸潤が6mmありました。術中、センチネル検査で引っかかりリンパ節郭清をしました。取ったリンパは11個中1つ転移もしておりました。今後の治療はタモフェキシンを5〜10年でいいと言われてます。
リンパ節転移があるのに放射線科や抗がん剤をしなくてもいいのですか?と聞いたのですが、進行がゆっくりのタイプなのでしないでも大丈夫と。このリンパ転移は浸潤性からのと思いますが、今後も骨シンチもPETもしないでいいのでしょうか?薬だけの治療でほっとしてる反面、浸潤性があり、リンパ節に転移があったのに薬だけで大丈夫なのか?と、とても不安です。
病理結果は
脈管侵襲 なし
断端 なし
女性ホルモン 陽性
HER2 陰性
KI67 1%以下
と教えて頂きました。
再発などにかなり怯えてますので、お薬のみで大丈夫なのか、セカンドオピニオンをした方が良いか教えて頂けると助かります。
よろしくお願い致します。
まず化学療法についてですが、RxPONDER試験(ホルモン陽性HER2陰性の乳癌で腋窩リンパ節転移1~3個の方を対象とした試験。OncotypeDXという検査を用いて化学療法が必要な方々を検討した試験)という試験の結果より、現時点では、閉経前で腋窩リンパ節転移がある場合は化学療法による再発予防効果があるとされております。また、閉経後では再発リスクが高い場合以外は効果がないとされております。(ただしリンパ節への微小転移は含まれておりませんので、微小転移なら化学療法の必要性はないと考えます)
放射線治療に関しては、日本乳癌学会ガイドラインにて腋窩リンパ節転移が1~3個で乳房切除後の場合での放射線治療は、全生存率には寄与しないが局所・領域リンパ節再発、乳がん死亡率の低下を認めており、メリットはあるものの放射線治療による有害事象を考慮しながら判断するようになっております。
術後の定期的な検査について、現在、術後の定期検査にて有効性が認められておらず、放射線による被ばくの影響も考え、勧められておりません。
今後についてご不安なお気持ちが強いと思います。担当医はいろんな状況を判断しホルモン剤で大丈夫とお話されたのだと考えます。治療についてご不安であれば再度担当医とお話してみてはいかがでしょうか。また、術後について定期的なCT・PET-CT検査はないとしても定期的な受診はありますので、もしご心配な症状などがございましたら担当医にお話ししてください。
必ずきちんと診断をしてくださると思いますよ。そのようにして1年1年を積み重ねていきましょう、応援しています。
文責:呉医療センター・中国がんセンター 乳腺外科 板垣友子