マンモトーム生検で飛び散ったがん細胞は増殖しないのでしょうか?
マンモトーム生検、針生検を何度か行った者です。上手
『手術前に行った組織生検(針生検、マンモトーム生検、開創生検
組織生検の回数が増えることで転移陽性率も増えるということは、
そこでお聞きしたいのですが、飛び散った癌はその場で死滅して増
近々、エコーを受ける機会があるのですが、その際、押したり動か
検査自体が不安です。また、日常生活で気をつける点がございましたら、教えてください
説明させて頂きました研究論文では、手術後の病理検査で浸潤癌を認めずDCISの最終診断であった患者さんでは、センチネルリンパ節転移陽性ではあっても孤立性腫瘍細胞(ITC:0.2mm以下の微小な細胞集団)が78.6%(44/56)、微小転移(2mm以下の小さな転移)が21.4%(12/56)であり、マクロ転移(2mmを超える大きな転移)はありませんでした。5年での無病生存率(DFS: Disease free survival)も100%ですので再発する可能性は極めて低いと考えられます。また、相談者の方のようなケースでは正常な乳房のリンパの流れは保たれていますので、センチネルリンパ節以外の腋窩リンパ節に癌細胞が転移していることも考えにくく、乳癌細胞が腋窩に遺残している可能性もほぼないと考えられます。
相談者の場合、センチネルリンパ節にITCを認めたということですが、そもそもITCは乳癌取り扱い規約では転移リンパ節としてはカウントされないようなものですし、転移する能力を持たないDCIS細胞のわずかな集団がたまたまリンパ節に流れ着いたとしても、それらが生着して増殖していくことはないと考えます。
文責:県立広島病院乳腺外科 尾崎慎治