4ヶ月前に乳房全切除しました。術後の胸壁にしこりのようなものがありますが、病院に行った方がいいでしょうか?

2020年1月6日   

はじめまして。昨年の9月に非浸潤性乳管癌で左乳房の全摘手術をしました。術後すぐは全摘前と同じ程に左胸が腫れ、現在も全摘した部位は平にはならずボコボコした感じになっています。12月に胸の形がボコボコしている事と、痛みがある事で定期検査の時期では無いのですが心配で受診しました。エコーなどの検査はせず、触診のみで経過は順調で痛みは神経を切っているから仕方ない事で、形がボコボコなのはこれ以上は変わらないと思うと告げられました。最近左胸を触るとしこりまでは行かないのですが、範囲広く硬い箇所があり少し不安になります。3月に定期検査がありますが、それまでは経過観察をしていた方がいいのでしょうか?

術後に胸の形がボコボコするというのは、胸の皮膚の下の脂肪組織が厚かったり薄かったりすることが原因と考えられます。手術の際には乳がんの病変の取り残しがないように病変の上の皮膚の脂肪組織は薄くする必要があります。ですから皮膚がボコボコしていても乳がんが再発している可能性は極めて低いので心配はないと思います。痛みに関しては、術後間もない時期ですので、痛みを感じるのは異常ではないです。中には術後数年経っても痛みを感じる方もいらっしゃいます。担当の先生にご相談された上で必要があれば鎮痛剤を処方してもらってはいかがでしょうか?痛みの症状が軽くならず、遷延する場合には「乳房切除後疼痛症候群」という慢性疼痛が原因になっていることもあります。その場合には麻酔科でペインクリニックという外来診療を受けることも可能ですので担当の先生にご相談下さい。術後3ヶ月後に視触診で異常のないことを確認されていますし、非浸潤癌という早期がんであったことも考慮すると3月の定期検査(術後1年目の検査)まで経過観察されても問題はないと思います。

 

文責:県立広島病院乳腺外科 尾崎慎司