乳房再建術をしましたが、エキスパンダーの固いものが当たるような痛みが強くなったように思います

2020年12月10日   

7月に乳房全摘とエキスパンダー挿入の手術を受けました。
術後はエキスパンダーの違和感や軽い痛みがあり、特にエキスパンダーの水入れの固い部分が擦れて痛かったです。少し慣れはしましたが、違和感や痛みはありました。9月にエキスパンダーが少し横向きになってしまい、脇の部分と胸の下に痛みが出るようになりました。形成を受診しましたが、見た目には大きな変化はないので様子をみておりました。
11月に入り、胸の上と脇の部分と胸の下のエキスパンダーの固いものが当たるような痛みが強くなったように思います。手術の傷もチクチク痛みが出る時も出てきて、下着の擦れもとても気になります。
この痛みは乳癌の摘出の痛みなのか、エキスパンダーの痛みなのか分かりにくいです。どのように対処する方がよいのでしょうか。よろしくお願いします。

痛みに関して、仰る通り乳癌術後の痛み・組織拡張期拡張中による痛みの両方が考えられると思います。胸の上・下・外側・内側は組織拡張期の辺縁とも一致するので拡張中は比較的痛みを感じやすい領域です。胸の外側に関しては手術操作の影響により筋肉が張っているような違和感・痛みもあるかもしれません。
また皮膚の薄い方ですとポート部分や組織拡張期の辺縁をより表面から触れやすいこともあります。
拡張による痛みの影響が大きいようであれば、主治医と相談し一度拡張量を少し減らして痛みの経過をみるのも選択肢です。術後の痛みの経過や感じ方は患者様それぞれですので、我慢せず主治医とよく相談して頂き内服で疼痛コントロールすることも大切です。下着が擦れる場合はお肌に優しい素材で、ゴム等の締め付けがきつくないもの、縫い目が当たらないものを選ばれるとよいかもしれません。季節的に皮膚の乾燥する時期なので、皮膚に傷がない状態であれば保湿剤で保護して頂くのもお肌に優しいかもしれません。
これら以外にも痛みの種類によってはすぐに病院に御連絡いただいた方が良い場合もあります。組織拡張期挿入中はセルフチェックを習慣づけて頂き、痛み以外にも、、皮膚が赤くないか、熱くないか、傷になっていないか等をチェックして頂くことが大切です。
文責:広島大学病院形成外科 佐々木彩乃