術後、手術をした側の腕のマッサージや浮腫について

2021年7月27日   

入院中(手術時)のリハビリで、今後の日常生活の注意点として、手術した腕で重いものを持ってはいけないとか、虫刺されや洗剤かぶれは避け…とか、いろいろ聞いてしまったら、神経質になり、何をするのも心配になってしまいました。
現在、肩や首のコリがひどく、術前のようにマッサージに行きたいと思っています。行ってもよいのでしょうか?
行ってもよい場合、施術者に注意してもらう点はありますか? (術前は、あおむけ、うつぶせ、横向きの姿勢になり、全身をマッサージしてもらっていました。)
また、一日の中で術側の腕が重だるく感じるときがあります。これは浮腫の一種でしょうか?
同じ姿勢が良くないのかと、腕を上げたり、動かしたりしています。何か、よい改善点があればアドバイスをお願いします。

→ 私の状態は、5月に左乳房部分切除、主治医の考えでセンチネル生検ではなく少しリンパ節郭清しましたが、リンパ節転移はありませんでした。術後の病理診断により、ルミナルB・HER2陽性のため、化学療法(TC療法.3週ごと4クール+ハーセプチン.3週ごと18回)、放射線療法、ホルモン療法となりました。現在、化学療法の2クール目です。筋肉痛や手足のしびれなども若干ありますが、生活には問題ない程度で過ごせています。

手術のご様子を沿いえてくださりありがとうございます。
 術後はセンチネルリンパ節生検であっても一通りご自身がお受けになったような手術側の腕に関する注意点の指導があると思います。内容が厳しいものも多く皆さん驚かれていますが、何もかも厳密にその通りにすることが望ましいわけではありませんので、疑問点は担当医にも相談なさってください。
 いずれの腋窩郭清後は術側の腕でリンパ流が増えるような事柄としての注意項目になります。
 マッサージに関しては、皮膚や皮下組織、筋肉が細かくても傷つくようなものでなければ可能ですが、もみほぐすほどの強い力を加えた場合にはリンパ浮腫につながる可能性があります。
肩や首、背中のマッサージは問題ないと考えます。
 また、術後に術側の腕がだるい感じがするのは、多くの方がおっしゃいます。疲れやすさや重だるさは全てがリンパ浮腫と関係している症状ではありません。術後早期のむくみは皆さんに起こっていますが徐々に改善します。心配な時には上腕で左右の太さを測って確認してみられてはどうでしょうか。
 術後のTC療法を受けられているとのことですが、ドセタキセルにより浮腫が起こりやすくなっており、お顔や足だけでなく、浮腫が起こった時には術側の腕に特に強く浮腫を感じられるかもしれません。引き続き術後のリンパマッサージを励行してください。
 治療の完遂をお祈りしています。
文責:広島大学病院乳腺外科 恵美純子