術後ホルモン療法は必要でしょうか?

2020年10月20日   

初めまして。44歳です。4ミリの小さな乳がんが見つかり、来週手術します。
がんは小さく、進行も遅めということですが、がんと言われただけで大分ショックを受けています。海外在住のため、相談できる場所も分からず、こちらにお願いしています。
調べるうちに、放射線治療やホルモン療法の副作用が何より心に重くのしかかっています。お聞きしたいのは、(怒られるかもしれませんが、どうしても聞きたいのです)様々な副作用と闘い日常生活に支障をきたし、なおかつ予防効果は50%であるホルモン療法を続けるよりは、こまめに健診に行き、乳がんが再発したらまた手術してもらえば良いのではないのでしょうか?
再発は初回とは意味が変わってくるのでしょうか?
ご回答いただけましたら幸いです。

手術後のホルモン療法は、からだのどこかに潜んでいるがん細胞を根絶し再発を予防する目的で行います。
再発には、手術をした側の乳房や、その周囲の皮膚やリンパ節に発生する局所再発と肺や肝臓、骨、脳などの乳房から離れたところに発生する遠隔転移があります。
局所再発に対しては再発巣を切除したり乳房切除を行い、放射線治療や薬物療法を行いさらなる再発を予防していくのですが、遠隔転移に対しては現状では根治ができないとされており、手術の適応はなく、薬物療法もがんと共存する治療を行うことになります。つまり手術で切除できる再発は一部です。乳がんの再発は現状では完治が難しいとされております。
ですのでもう一度主治医とご相談なさってはいかがでしょうか。
納得されて適切な術後治療を頑張っていただけるように願っております。
文責:呉医療センター乳腺外科 板垣友子