右胸の乳がんを全摘しましたが局所に再発しました。タモキシフェンが効かなかったのでしょうか?抗がん剤治療を勧められましたが、抗がん剤治療はしたくありません。

2020年11月9日   

昨年12月に右胸の乳がんを全摘しました。ホルモン療法のみでタモキシフェンを服用していましたが、今年10月に同じ胸の傷口下に7mm程のしこりができ検査の結果、局所再発との事でした。タモキシフェンが効かなかったのでしょうか?抗がん剤治療を勧められましたが、抗がん剤治療はしたくありません。
タモキシフェンが効かない場合、他の服用薬はないのでしょうか?

質問ありがとうございます。
手術後の同側乳房内に新たに病変が出現した場合
①もともとの乳がんが転移したもの
②もともとの乳がんが遺残していて増大したもの
③もともとの乳がんと関係ない新規の乳がんが発生したもの
以上の3つ区別して考える必要があります。初めの手術の状況、初めの乳がんの病理検査結果、今回の出現病変の病理検査結果、出現病変の時期、出現病変の状況などの臨床情報を元に総合的に判断します。
質問の中に書かれている情報が少ないのであくまで推測になりますが、主治医の先生からタモキシフェン治療から抗がん剤治療への変更を勧られたとのことですので①と判断されたのだ思います。
ちなみに②であれば再手術を行いタモキシフェン治療を継続する選択枝があり、③であれば 今回の出現病変の根治手術を行いその病理検査結果で新たに治療方針が決まります。
今回推測されるようにタモキシフェン服用中に①と判断される病変が出現したということであれば、タモキシフェンは効果がなかったと判断されます。 治療変更が必要で、今後の治療には別の内分泌治療や抗がん剤(点滴薬だけではなく内服薬もあります)などがあげられますが、選択枝は複数あると思います。先に述べたいろいろな臨床情報を総合してどの治療が選択できて、どの治療が最適かを決めていくのが通常です。
今回の乳がんの情報を一番知っている担当の先生とよく話して病状の理解を共有した上でご自身の気持ちや希望を伝えて、今後の治療を一緒に相談して決めていくことがもっとも大事なことと思います。
島の病院おおたに乳腺外科 安井大介