乳房再建術後に左腋窩リンパ節再発をしたので、リンパ節郭清をしました。今後、腋窩などに放射線治療をしたほうがいいのか迷っています
2021年1月23日 放射線治療
2011年の10月に、初発で左胸の乳がんの手術をし
2020年2月に左脇リンパ節に局所再発が判明→3月に腋窩リン
7月からddEC療法(4クール)→ddパクリタキセル(4クー
ここからなんですが、これから放射線治療をやるかやらないかで、
主治医の先生の話だと、私のような腋窩リンパ節単独再発で放射線
私はシリコンでの乳房再建もしているため、照射すると皮膜拘縮に
これらの事を考えると、最終的には本人の気持ち次第との事でした
自分としては、もう再再発は絶対にしたくない気持ちが強いので、
何か助言いただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
腋窩リンパ節単独再発については、十分な科学的根拠に基づいた治療法は確立されていないのが現状であり、乳癌診療ガイドラインでは、“腋窩リンパ節単独再発は,摘出が可能であればリンパ節切除術を行い,放射線照射の既往がなければ術後照射も考慮する。”と記載されています。また、照射範囲についても、胸壁再発がなく腋窩リンパ節単独再発の場合に、鎖骨上領域に加えて胸壁にも照射を行う必要があるかについても明らかではありません。
先程も述べましたように腋窩リンパ節再発に対する腋窩郭清後の術後照射の意義は明確ではなく、術後照射を行うかどうかは、ご質問にあるように、再発予防効果とリンパ浮腫などの有害事象発症リスクとの兼ね合いになります。したがって、術後照射は手術により完全切除ができなかった場合(=腫瘍の残存がある場合)など再発リスクが高い場合に行われ、完全切除されている場合には術後照射を行わずに経過観察となることが多いのではないかと思います。
今回、詳細な病理結果は不明ですが、完全切除ができており、かつ追加の薬物療法もしっかり行われているため、主治医の先生やセカンドオピニオンの先生が積極的に術後照射をお勧めされないのではないかと推察いたします。
術後照射を行わなくても絶対に再発しないわけではないため、最終的にはリスクとベネフィットを踏まえてご自身で決断していただかなければならないとは思いますが、少しでもご参考になれば幸いです。
文責:広島大学病院放射線治療科 西淵いくの