イブランスとベージニオのどちらを選んだらいいか迷っています

2022年8月13日  , 

術後2年半で骨転移した70代の母ですが、内分泌療法をアナストロゾールからレトロゾールに変更し、これにCDK4/6阻害薬をプラスして行うことになりました。イブランスにするか、ベージニオにするかの選択で悩んでいます。

実は前回の質問から色々とあり転院しました。前医は副作用の観点からイブランス一択だったのですが、転院先の主治医はどちらでもいいとの回答。どちらを勧めるか聞いたのですが、それぞれに副作用はあるし、効果も同じくらいあるのでどちらでも好きな方をとのこと。そうなると悩んでしまい決めかねています。

判断材料となるのは副作用かと思いますが、代表的な骨髄抑制か下痢かとなると、自覚症状の少なさでイブランスの方がいいのかなという気がしています。ちなみに母はストーマなので、下痢でもトイレに駆け込むといった心配はないのかなと思っています。

ただ引っかかっているのは、イブランスはPALOMA-2試験でOS改善を認めなかったという結果や、術後補助療法としてベージニオのみ承認されている点で、ベージニオの方が効果があるように素人の私には見えてしまう点です。直接対決の臨床試験結果がないので比較しようがないと思いますが、現時点でこうした結果は臨床の場ではどのように受け止められているのでしょうか。また、使い分けはどのようにされているのでしょうか。

上記の点含め、母が判断する上でのアドバイスを頂けましたら幸いです。宜しくお願い致します。

ご質問にもあるように、どちらを選んだらいいのかは副作用によるのではないかと思います。イブランスは好中球減少、ベージニオは下痢、が特徴です。ただ、どちらもコントロールは可能ですし、減量しても効果はありますので、主治医にしっかり調整して貰えば継続はできると思います

効果については、質問にあった通りの印象を専門家も持っていると思います。予防的投与の臨床試験でベージニオはポジティブなデータが出て保険承認されて使えていますが、イブランスはネガティブデータでした。対象も微妙に違うのでベージニオが上手くやっているような印象もありますが、ベージニオの方がパワーがあると感じている先生の方が多いのではと思います。ただ、両者を直接比較した試験はないので、あくまでも推測です

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行