腋窩リンパ節が腫れていますが、細胞診では「転移なし」となりました。どちらが正しいのでしょうか?

2024年3月12日   

しこりを自覚し受診し、針生検では非浸潤がんの診断。腋窩リンパ節の腫脹があり細胞診したところ、陰性の所見。
様々説明を受けて、非浸潤がんの診断だけど手術して病理検査でステージが確定することは理解できました。
分からないのは非浸潤がんではリンパ節が腫れることはないのか、リンパ節の細胞診で陰性だとしても実際は悪性のことがあるのか、こちらでお聞きできればと思います。

まず、浸潤がんも含めて、腋窩リンパ節の腫大について説明したいと思います。乳がんの場合、転移がなくても腋窩リンパ節が腫大することは時々あります。原因は、腫瘍細胞の出す物質に反応することのようで「反応性リンパ節」と呼んでいます。もちろん細胞診で確かめますが、そのような場合には「転移なし」と診断されます。この場合は、細胞診の結果が優先されます。

非浸潤がんの場合も、ある程度腫瘍の拡がりがあれば浸潤がんが存在する可能性もあるので、転移している可能性はあります。ですので、センチネルリンパ節生検はやると思います。

以上から、(1)反応性リンパ節の可能性はある、(2)非浸潤がんであっても浸潤がんも存在することがある、ということをご理解ください

文責:島根大学医学部附属病院乳腺センター 角舎 学行