粘液がんと診断されました。主治医からはおとなしい癌と言われましたがどうなんでしょうか?

2019年12月16日   

乳癌の粘液癌にかかりました。幸いリンパ節転移もなく、主治医もおとなしい癌なのであなたは運が良いと言われました。全摘手術を受けて以来、ホルモン治療のみです。副作用が少しある程度で元気に生活が送れているのですが、たまに不安からか、診断時のことが思い出されて不安になります。癌が多発しており、4ヵ所あり術後の病理では大きさが6㎝5㎜浸潤癌と書いてありました。主治医は、数は全く関係ないから大丈夫と言われstage IIaであると、言われました。粘液がんについては数が少なくあまり詳しく書かれているものはない為なんとなく不安になります。粘液癌はあまり心配は要らないのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。粘液癌というタイプの乳癌が4カ所あり、乳房切除術を受けられ、リンパ節転移はなく、StageⅡAだったのですね。現在ホルモン療法を受けられているとのこと。今でも診断時のことが思い出されて不安になられるのですね。粘液癌は全乳癌の約3%程度で、比較的病気の進行がゆっくりで、ホルモン療法が有効なタイプが多い特徴があるといわれています。組織型は診断や治療の参考にはなりますが、治療方針は基本的にはサブタイプ(ホルモン感受性の有無、HER2タンパクの表出程度)を中心に決定しますので、珍しい粘液癌で数が多かったからと心配しすぎることはないと思います。十分な治療はされていると思うので、定期的に診察を受け、心配なことや気になることがあれば主治医の先生に遠慮なく相談してみられてもいいと思いますよ。

 

文責:広島総合病院乳腺外科 梶谷桂子