3度目の再発で右鎖骨周囲に三ヶ所の転移があります。根治は無理なのでしょうか?
2020年5月9日 再発治療
はじめまして。分かりづらい文書には なりますが 宜しくお願い致します。
35歳の時、初発乳癌で右胸全摘手術後に抗がん剤投与しました。正確な抗がん剤名はわからないのですが、赤い薬剤の抗がん剤とその他組み合わせに、ハーセプチンもやりました。
40歳の時、2度目の局所再発で、右胸全摘箇所に腫瘍ができました。他臓器には転移はないため、手術で切り取り、その後放射線治療行いました。
42歳現在、PET検査により右鎖骨周囲に三ヶ所の再発。PETで光りこちらは手術はできない。また今後これは消える事はないと主治医から説明されました。
今回の再発は、これまでリュープリンとノルバデックス服用で対応して参りしたが、ホルモン剤を変更するという治療になるそうです。ただこれは効果があるのかどうか、そして今後どうなっていくのかはわからないと言われ、非常に不安です。そこで思い切って癌センターの病院に変わろうとも思っています。
その選択が正しいのか、またリンパ節に広がった腫瘍は果たして根治は無理なのか?ご教授いただければ幸いです。
ご質問有難うございます。今回相談をいただいた右鎖骨周囲のリンパ節転移に対する治療は薬物療法が中心となります。手術で再発したリンパ節を全て切除することは難しく、放射線療法は前回再発時に施行しており再び施行することは出来ません。薬物療法として乳がんサブタイプ(主にホルモン受容体とHER2発現によって決まります)に応じた有効な薬剤を投与すれば十分な治療効果が得られることが期待できます。頻度は10%程度ですが薬物療法で病変が消失することもあります。よって、現状では乳がんサブタイプに応じた適切な薬物療法を受けていただくことが最善の治療となります。
主治医の先生に、ご自分の乳がんのサブタイプをご確認いただき、今後の薬物療法を相談されることをお勧めします。お役に立てますと幸いです。
文責:呉医療センター乳腺外科 重松英朗