化学治療の副作用軽減に漢方は有効なのでしょうか?

2020年8月20日   

化学治療の副作用軽減に、主治医に漢方を試したいと言った所、「漢方はエビテンスがないから進めない」と言われました。保険治療にもなり、副作用軽減出来るなら私的には試したいのですが、化学治療中だと治療の妨げになるのでしょうか?

化学療法の副作用軽減のために、可能な治療を受けたいとのお気持ちは良く分かります。漢方薬を、日常診療において使用されない先生方は、エビデンスがないとおっしゃられる事が多いですよね。残念な事だと感じています。
癌の治療をされ、副作用に悩まれている方々の立場にたてば、効果があるものは何でも試したいと思うのが、当然だと思います。
はっきりと申し上げますが、エビデンスのある論文は多数存在し、科学的にもそのメカニズムが証明されて来ています。私も、大学病院在籍中に、多くの先生方やスタッフの方々のご支援と、患者の皆様のご協力のおかげで、「抗がん剤による食欲低下に対して、六君子湯(りっくんしとう)という漢方薬を投与する臨床試験」を行い、その効果を証明する事ができました。
確かに、全ての方々の症状を、100%取り除くことは難しいですが、試してみる価値は十分あると思います。
症状緩和のために漢方処方も行っている病院の受診をお勧めいたします。
文責:廿日市記念病院緩和ケア 吉屋智晴