アナストロゾール副作用のため、服薬中断した場合の再発の恐れについて
2021年7月26日 ホルモン陽性乳がん
1年前、ルミナールAで3㎜の乳がんと診断され全摘し
術後ちょうど1年経過した先月、患側の親指周辺の腫れと痛みがあ
アナストロゾールを含むアロマターゼ阻害剤の内服による関節の腫脹や痛みは、比較的多い副作用です。術後補助療法としての内分泌療法は中断なく続けることが理想ですが、副作用の程度により休薬を余儀なくされるケースはあります。
どのくらい休薬したら、リスクがあがるかというのは、患者さんにより進行度やホルモン感受性が違いますので難しい質問にはなりますが、海外のデータでは指示通り飲んでいる期間が長い患者さんの方が予後はよいというデータはあります。ですから、関節の痛みにより、仕事や家事ができず、日常生活に支障が出るほどでなければ、基本的には内服を勧めています。
先に③に対する回答ですが、関節痛に対しての鎮痛剤や湿布薬はアナストロゾールと併用可能です。また、それ以外にもサプリメントであるエクオールも関節症状には有効性が示されております。漢方薬やテーピング、サポーターを利用される患者さんも多いですし、整形外科で注射をしている方もいます。
ただ、アナストロゾールの副作用かどうかは、主治医の先生が言われるように休薬してみないと確定はできず、2~4週間程度お休みして様子を見ましょうというケースはあります。その場合、落ち着いた段階で鎮痛剤などを併用しながらアナストロゾールを再開するのか、他の薬剤に変更するかという判断になると思います。もともと3mmのルミナルAタイプと再発リスクは低く、どうしても内服が継続できない場合は内服終了という選択肢もあるかもしれません。
副作用をどの程度苦痛に思っているかは患者さんによって様々です。ひどい関節痛や手指の変形があっても内服を続けたい方もいれば、こわばりや違和感も全くない元々の生活を送りたいと考える人もいます。関節痛の程度をみながら、主治医の先生と内服の継続について相談してみてください。
文責:ひろしま駅前乳腺クリニック 長野晃子