オンコタイプDXを待って抗がん剤をするかどうかを決めても遅くないでしょうか?

2021年12月24日   

47歳女性(閉経前)、右胸全摘手術(リンパ郭清も)をしました
ルミナルA、ステージ2A、腫瘍1.6センチ、リンパ節転移1個、核グレード1、ホルモン陽性、HER2陰性、Ki67 20%です。手術から3週間経ち、タモキシフェンの服用を開始しました。

効果は大きくはないかも知れないが少しでも再発の可能性を減らしたいなら抗がん剤も可能と言われ、迷っています。1個ですがリンパ転移があり、Ki67も20%と、ものすごく高いわけではないが低くもないという感じだと思うのですが、抗がん剤は受けた方がいいのでしょうか?

その判断のためにオンコタイプDXを希望していましたが、2021年12月の保険適用→保険適用の延期に伴い、通っている病院では現在は自費でも検査できなくなっているようでした。ひとまずタモキシフェンの服用を続けて、オンコタイプDXが保険適用になってから検査を受けて、それから判断してもいいと主治医からは言われました。それだと手術から数ヶ月~半年近く空いてしまうと思うので、もし検査で抗がん剤をした方がいいことになった場合、タイミングが遅いでしょうか?

病理検査の結果からは、化学療法が必須という項目はないと考えます。確かにオンコタイプDX の結果を見て決めたい症例ですが、現在は自費でも保険でも検査ができないようになっています。2月中に開始できるかどうかも怪しいようですので、化学療法の開始がかなり遅くなりますね。術後化学療法に限らず治療は2ヶ月以内に始めるのが一般的と考えますので、それ以降に化学療法を行っても効果があるか不明です。再発を減らすことに重点を置くのであれば化学療法(当院ではTC 療法を行うと思います)を受けることになります。

いずれにしても、今判断する必要がありますので、セカンドオピニオンも考えられたらいかがでしょうか

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎 学行