サブタイプの違う両側乳がんの治療について

2023年7月31日   

昨年10月に左胸にしこりを自覚して受診後、マンモグラフィーとエコー診断、針生検の結果、両方の胸に違うサブタイプの乳がんがみつかりました。左はHER2陽性、大きさ3センチ、右はHER2陰性大きさ2センチで、術前化学療法を半年おこない6月の術後の病理結果で、左のリンパ節転移はすべて消失しましたが、浸潤部が4ミリ×2ミリ、右はセンチネルでリンパ節転移なしでしたが、浸潤部が同じく4ミリ×2ミリ残っていました。
左については、放射線療法後カドサイラ3週間に一度を14回、右が、わずかですがホルモン陽性なのでその後にホルモン療法になると主治医から言われました。
今は、放射線治療の途中です。そこで質問ですが

①       両側とも非浸潤部は2センチ程度残っていましたがこれは気にしなくてもよいのでしょうか?

②       術後HER2陰性の浸潤部が残っていてホルモン陽性3%程度しかありません。ホルモン弱陽性の場合は、ホルモン療法の効果があまり期待できないとか、トリプルネガティブに近いのでトリプルネガティブとしての治療をする、というような情報があり混乱しています。
私のような場合術後、放射線、カドサイラの後に、ホルモン療法のみでよいのでしょうか?ゼローダとかTS-1とかは使えないのでしょうか?

①       両側とも非浸潤部は2センチ程度残っていましたがこれは気にしなくてもよいのでしょうか?
→非浸潤癌がんの部分は腫瘍径には入りませんので気にしなくても良いです

②       術後HER2陰性の浸潤部が残っていてホルモン陽性3%程度しかありません。ホルモン弱陽性の場合は、ホルモン療法の効果があまり期待できないとか、トリプルネガティブに近いのでトリプルネガティブとしての治療をする、というような情報があり混乱しています。
私のような場合術後、放射線、カドサイラの後に、ホルモン療法のみでよいのでしょうか?ゼローダとかTS-1とかは使えないのでしょうか?         →1%でも陽性であればホルモン陽性になります。ゼローダやT S -1はHER2陽性乳がんには適応がありませんので、右乳がんに関して使えないかということだと思いますが、ホルモン陽性HER2陰性乳がんに対してはあまり効果がないです。どちらかというと左乳がんの方がリスクが高いので、そちらに合わせて治療する方が良いと思います。

文責:島根大学医学部付属病院乳腺センター 角舎 学行