トリプルネガティブ乳がんと診断されました。手術、化学療法の順番や手術までの待ち時間が心配です
2020年2月19日 化学療法
1月に生検を受け、2月にトリプルネガティブ浸潤型
通常手術までは期間があると聞きますが、このような悪性度も増殖
一昨年2018年11月にマンモグラフィーとエコーを受けた時点
トリプルネガティブの場合、手術後1カ月以内に抗がん剤治療を開
担当医の先生もおっしゃる通り、 術前化学療法を行った場合と術後化学療法を行った場合について予 後に差はないとされております。術前化学療法を選択する際には温存手術を目的にする場合やStageがやや進行している場合などがあります。質問者さんのお話から腫瘍径は1.5cmのStageI トリプルネガティブ乳がんですので進行度もなく術前化学療法をなさ ならくても温存手術は可能な状況と考えます。その状況での術前化学療法のメリットとしては
・抗がん剤の腫瘍効果が目に見えること。
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・ また術前化学療法により病理学的完全奏効が得られなかった場合で も、術後に半年間ゼローダという抗がん剤を内服することでトリプルネガティブ乳癌において再発リスクを48%、 死亡リスクを42%下げるとされています(CREATE- X試験)。
術後化学療法のメリットとしては
・ 手術病理検査結果によって抗がん剤治療が短縮できる可能性がある こと。が考えられます。
また術後化学療法開始時期につきましては
2015年米国の報告論文では術後1か月での抗がん剤開始と30 日~90日での抗がん剤開始には差がなかったが、 90日以降の開始は死亡率が増加したとなっております。 術後の状態もありますので、 1か月以内に開始しなければいけないことはありません。
術前化学療法、術後化学療法どちらにもメリット、 デメリットがあります。
抗がん剤治療は副作用を必ず伴いますので担当医先生としっかり御 相談なさって納得して治療を始められた方がよいと思います。
文責:広島大学病院乳腺外科 板垣友子