トリプルネガティブ ステージIIBです。キイトルーダを使った術前化学療法を提案されていますが、手術先行とどちらがいいのでしょうか?

2024年7月31日   

母の代理で質問致します。
腫瘍の大きさ31mm、腋窩リンパ節転移1つあり、トリプルネガティブ、Ki67 60%、cT2N1M0、ステージ2bと診断され、カルボプラチン+パクリタキセル+キイトルーダの術前化学療法を提案されております。

手術先行よりも予後が良いというような説明でしたが、手術をせずに半年も置いておく事に不安があります。

全摘を希望しており、全摘するなら、術前化学療法をする意味はないと書いている医師もおり、不安ですが、キイトルーダを使った術前化学療法を行った方が再発率を抑える事ができるなら、そうしたいと考えております。

術前化学療法中に遠隔転移で手術が出来なくなる可能性はないのでしょうか?

トリプルネガティブ乳がんの場合、術前化学療法にはキートルーダが使えますが、術後には使えません。原発巣があることで腫瘍に対する免疫が活性化されるのでキートルーダがよく効くということなのです。病理学的完全奏功率は、従来の治療であれば50%、キートルーダを使うと64%と大きく違います。

このように術前化学療法で行うほうがメリットが大きいため、特に問題がなければ絶対に術前化学療法で行うべきだと考えられています。

 

文責:島根大学医学部附属病院乳腺センター 角舎学行