2017年7月に、肝転移のステージⅣと診断されました。HER2陽性(FISH シグナル比5.4)ホルモン陰性です。
ステージⅣでしたが、直後に原発腫瘍(左乳房)の切除は行いました。その後『ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル』の治療から始めましたが、5回くらいで副作用が激しく、ドセタキセルを外して『ハーセプチン+パージェタ』の分子標的薬のみの治療にしたところ、幸い肝臓の転移部分も縮小しCTでほとんど確認できない状態で維持できていました(58回治療)。ところが、先月(2020年12月)のCTで、肝臓の転移部分の悪化が初めて確認されました。(他への転移はありません。)先生からは、次回から次のステップの『カドサイラ』への治療に変更しましょうとの話がありました。今までの治療が副作用もなく良好だったので、新しい治療に不安があります。
質問としては、この選択肢が最適かどうかのご意見をお伺いしたいと思います。また、『カドサイラ』は、『ハーセプチン+抗がん剤』の組み合わせと聞きましたが、パージェタが外れてしまうので心配な部分もありますが、気にする必要はないでしょうか?容易に次のステップに進むと、今後の治療の選択肢が狭まってしまうのではないかとも危惧しております。
現在、非常に不安な気持ちになっております。アドバイスいただければ幸いです。
HER2陽性乳がんの再発・転移の化学療法としては、ドセタキセル+ハーセプチン+パージェタは第一選択で、カドサイラはその次に来る治療です。その場合、あくまでカドサイラ単独の投与が原則です。そして、その後はエンハーツかと考えます。
臨床試験でも増悪(20%の増大)があれば、次の治療に移行する、となっていますので、主治医の先生と相談して決められたらと思います。あまり治療選択では迷わないと思います
文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行