ホルモン治療中の脱毛対策について

2020年11月11日   

おととしの1月にステージⅠの乳がん手術をし、現在タモキシフェンのホルモン治療中です。特に最近、抜け毛とそれに伴い薄毛が気になり、ネット検索すると、ミノキシジルが効果的とあり、市販のリアップリジェンヌを使用したいのですが、ホルモン的に再発とかに問題ないものか、教えていただきたいです。脱毛対策についてなかなか相談にのってもらえず、自分としては切実ですので、ぜひ助けていただきたいです。

内分泌療法中に抜け毛、薄毛の相談はよくあります。女性ホルモンに関する抜け毛ということで頭頂部の薄毛が多いと思います。化学療法で脱毛してしまった患者様でも、化学療法に続き内分泌療法が開始されたときには、襟足はどんどん伸びるのに、頭頂部が生えないのでウィッグが取れないという方も多いです。実際に命にかかわるような副作用ではないので、重要視されることは少ないのかもしれませんが、女性としては本当につらい副作用のひとつだと思います。
ミノキシジルの作用機序は詳しいことはわかっていませんが、直接毛包に作用して発毛を促しますので、ホルモン受容体乳がん患者さんでも使うことはできます。『がん患者に対するアピアランスケアの手引き』では化学療法に伴う脱毛に対して、高いエビデンスはないが、再発毛の促進にミノキシジルは勧められるとされています。内分泌療法に伴う脱毛に関しては記載はありませんので、効果のほどは不明ですが、可能性はあると思います。
当院では円形脱毛症に使われるお薬を試してみた方もいますが、その方はあまり効果は見られませんでした。その他ではエクオールが薄毛にも効果がある可能性が示唆されています

 

文責:ひろしま駅前乳腺クリニック 長野晃子