乳がんが再発しました。自家がんワクチン療法を受けたいです

2020年7月29日   

2年前に大学病院で乳房全摘手術を受けました。
1年前に再発し、今は別の病院で抗がん剤治療を受けています。
初発の時は、Stage II、と言われましたが、今はわきの下とか、全摘したところの下側の骨とかに転移しています。
抗がん剤と放射線治療でちょっとは小さくなってるようですが、もともとの乳がんが進行スピードがすごく早いタイプみたいで、治療が追いついていかないみたいです。最近、インターネットで、自家がんワクチン療法というのを知り、受けてみたいと思っています。そのために、手術でとった組織が必要なのですが、2年前に手術したものの組織ってまだ病院にはあるのでしょうか?
もし、まだ保存されている場合、どんな手続きをすれば良いですか?
自分自身は、動けないので、夫か母に行ってもらうようになりますが、持っていくものとかありますか(紹介状とか、印鑑とか、身分証明書とか??)?
あと、大学病院の先生方は、自家がんワクチン療法ってどう思われますか?
私は、以前、父が70歳で膵臓がんになって、その後、15年以上、丸山ワクチンを打っていて膵臓がんがほとんど進行せず、寿命を全うして老衰で死んだのをみているので、自家ワクチンも良いのかな、と思っております。
よろしくお願いします。

こんにちは。
抗がん剤治療と放射線治療よく頑張っておられますね。
乳がん術後1年経過して、わきのところと骨に転移なさったのですね。
現在、転移再発乳がんに対して治療なさっておられるのですね。
 
2年前に切除した切除標本は保存している可能性が高いと思います
切除標本は治療のためでしたら、頂ける可能性が高いです。
手術なさった病院の担当科・当時の担当医に直接、御相談なさって良いかと思います。その際に腫瘍をどのくらいの量必要か、ホルマリンに入れた状態で腫瘍を頂けばよいのかをあらかじめ確認して、手術を受けた病院の担当科に相談なさったらよいかと思います。
 
現在、転移再発乳がんの一部に免疫チェックポイント阻害剤が保険適応になっています。これはこのお薬を使った場合、臨床試験においてはっきりとした薬の効果があることが科学的証明されているからです。
自家がんワクチン療法 についてははっきりしたお薬の効果が証明されておりませんので、お勧めできません。効果ははっきりわかっていない・副作用もわからない上に、ひじょうに高い治療費を請求される可能性があると思います。
乳がんの治療は日々進歩しており、現在の保険適応内で行える治療薬にも良いお薬がたくさんあります
担当医の先生と現在の病状をお聞きして、ご本人にとって最善の治療をなさって頂ければと思います。
文責:広島大学病院乳腺外科 舛本法生