乳がんと診断されましたが11ミリです。温存手術がいいのでしょうか?全摘+再建がいいのでしょうか?

2020年11月9日   

セルフチェックでしこりを見つけ、すぐに検査しました。触診、エコー、マンモグラフィーでは、良性っぽいと診断されたのですが、念のため、MRIやりましょうか。となり、MRIやったら造影剤が映り込むスピードが速く、マンモトーム生検をすることになりました。その結果、悪性腫瘍と診断され、告知されたときは、最初の診断と変わったことへの衝撃と、今後の治療に向けて、今はステージ1だと言われても、病理検査の結果、2aや3にあがるのではないかと不安で仕方ありません。

画像検査から、しこりの大きさは最大11mmということから、部分切除の温存治療という方針でしたが、局所再発リスクを考えるならば、やはり全摘の方が良いのでしょうか。今回は部分切除で放射線治療し、再発した場合に、全摘を選択するという考えもあると思いますが、放射線治療すると皮膚が硬くなるため、乳房再建は難しいと聞いたことがあります。であれば、最初から全摘+乳房再建がよいのか。何故、最近は温存治療が主流なのでしょうか?理由があるのですか

子供は2人いて、3人目を授かりたいと思っていましたが、それも40歳という年齢からがん治療が始まるので、ホルモン治療終わった頃には自然妊娠は望めない年齢なので、諦めるしかないのでしょうか。

まだ小さい2人の子供のためにも、最善の治療を考えたく悩んでおります。

11ミリといっても腫瘍が限局しているもの、乳管内進展が著しいものなど色々です。MRIなどの画像を見ないとなんとも言えませんが、一般的には30ミリの腫瘍まで温存が可能と言われています。11ミリであれば温存術も十分可能だと考えます。温存術VS全摘術では予後が差がないことはよく知られています。予後に差がつくのは薬物療法です。主治医の先生と術式についてはよく話し合ってください。

40歳であればホルモン療法が終わる5年後(最短で)では45歳になっているので自然妊娠は厳しいと思います。治療開始前に受精卵として凍結保存しておけば少しは確率は上がりますが、それでも厳しいと思います。でも、選択肢としてはあると思いますよ。こちらも主治医と相談されることですね

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行