乳がんの手術の方法について、再建も考えています。ご相談させて下さい
2020年9月17日 手術
マンモ、エコー、生検、MRIを受けて乳癌と診断されました。
左胸、腫瘍の大きさは2.5cm、位置は乳頭直下、乳管癌、浸潤
主治医からは
①乳頭部分を含む5cmの胸壁までの円筒切除、表面上の傷は胸上
②全摘。
希望としては、出来る限り左右差のない、整容性の高い方法を選択
セカンドオピニオンも視野に入れて、
他に、③内視鏡、④皮下内全摘も手術方法に加えて検討したいと思
それぞれのメリットとデメリットについて教えていただきたく思っ
②再建はインプラントを希望しています。インプラントで考えうる
③と④はの場合は乳頭直下の乳管癌で乳頭へのびていることを考え
③①のように腫瘍は乳頭近くにあるので、その下胸まで全部切除す
④主治医からMRIでは充分に皮膚から腫瘍の距離はあるが、エコ
いので、すすめられないといわれました。理由は皮膚への浸潤や術
いただいた情報からは、①腫瘍は乳頭直下にあり乳輪乳頭は残せない、②その部分は皮膚の近くにある、ということですね。他の情報はわかりませんが、リンパ節転移については書いておられないので、ないものと仮定してお答えします。
主治医の先生がまずは根治性にこだわられておられるのはもっともだと思います。私も、皮下乳腺全摘(乳輪乳頭を残してという意味だと思いますが)や温存は勧めません。まずは確実に乳がんを切除してということを考えると、乳房切除+センチネルリンパ節生検+組織拡張器挿入を勧めると思います。腫瘍の位置が許せば、皮膚切除の範囲をできるだけ狭めて皮膚を残せるようにすればその後の再建が少し楽になります。
乳頭くりぬきからの乳腺全摘も可能かもしれませんが、組織拡張器を入れるためにはある程度の皮膚切開が必要ですので、他のところに切開を入れる必要があり、本末転倒なように思います。5センチのくりぬきも、再建するのであればかえってじゃまですし、くりぬきだけであれば整容性は劣ります。
広島大学病院でも内視鏡補助手術は多くしていますが、皮膚切開を小さく目立たないところにおけることがメリットですので、温存術ほどはメリットが少なくこれにこだわる必要はないと思います。
文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行