遺伝性乳がんの予防的乳房切除は保険適応になるのでしょうか?

2020年1月12日   

2018年12月に右乳がんと診断され、2019年2月に右乳房全摘と、リンパ節郭清術を受けました。ステージⅡa、トリプルネガティブで、術後抗がん剤治療と、放射線治療をうけ、年末やっと終わったところです。私の母親は、両側乳がんと卵管がん、母方の姉に、乳がんと、卵巣がんになった方が一人ずついます。遺伝の可能性が高いと思っていますが、まだ遺伝子の検査はしていませんでした。最近新聞で遺伝子変異のある乳がん患者に予防切除が保険適応になると見ました。予防切除が保険適応で出来るのなら前向きに考えたいと思っているところです。そこで遺伝子検査や、予防切除したあとの乳房再建も保険適応になるのかなど、どこまで保険適応になるのかを教えていただきたいです。

2019年12月13日に厚労省の中央社会保険医療協議会 総会(第441回)で遺伝性乳がん卵巣癌に関する診療に関する議論がなされたのですが、その時の資料はこちらをご参照ください。https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000576445.pdf

この資料からは、既に乳がん卵巣がんを発症した方で、いろいろな基準から遺伝性が疑われる方では

・遺伝カウンセリング
・遺伝子検査
・陽性者の方に対する予防的切除やサーベイランス検診(がんを早く見つけるための検査フォロー)
以上が全て保険診療にすべきとの内容になっており、これが提示された協議会で議案が承認さ4月以降で予防切除も保険診療になるというのが報道されています。ただ、どの範囲で保険診療になるのかはまだ明らかにはなっておらず、正確な回答ができないのが現状です。
いずれ、診療報酬改定に伴い明らかになるかと思いますので今しばらくお待ちください。
文責:広島大学病院乳腺外科 恵美純子