アメリカ在住で、現在授乳中です。
半年ほど前から乳輪の下あたりに1cm程度のしこりを感じています。形は楕円のような、でもきれいな円形ではなくいびつなかんじで、硬さは弾力があるかは素人ではよくわかりません。
しこりのようなものがあっても大概授乳するとなくなるのですが、このしこりは授乳をしてもなくなることはありません。意識的にこのあたりを絞り出すように授乳しても特に変化はありません。
気になったので出産した産婦人科で診てもらったのですが、触診では心配するようなものではなさそうだが、念のため超音波検査をしようということになりました。アメリカでら超音波検査はradiologyというマンモグラフィーやMRIなどを専門に行う医療施設で受けるのですが、日本と違って左右の乳房全体をくまなく検査するのではなく、しこりがあると申告した部分のみに超音波の機械を当てて検査しました。しこりのある箇所を指差して検査してもらったのですが、何も映らないといわれ、再度しこりの位置を伝えたのですがそれでも特にしこりのようなものは映らないとのことでした。検査技師に質問しても答えられないとのことで、後日医師が画像をみた上で結果を郵送で連絡するといわれました。結果は異常は確認されなかった、とのことだったのですが、しこりのようなものは映っていないと言われたこともあり、見ていただいた画像が適切なのか、正しく検査されているのか不安になっています。超音波検査でどのような場合、白かったり、黒かったりして塊がはっきり映るのでしょうか?超音波検査で確認ができないしこりとはどのようなものが考えられますか?
授乳中のしこり、ご不安と思います。授乳中の乳房診察は超音波が威力を発揮します。超音波検査では乳癌はたいてい黒い塊として描出されます。(癌の)細胞ががっちり集まると超音波の通りが周りの乳腺や脂肪と違ってくるので病変として見えてくるのです。しこりを触れてその場所を見てもらって、何もないのであれば病変を見逃している可能性はほとんどないと考えてよいので、乳腺組織そのものがしこりとして触れていると考えられます。
ごくまれに、粘液癌というタイプの乳癌は超音波で黒ではなくグレー、つまり脂肪と同じような色に見えることがあり、よく見ないと分からないことがありますので、しこりが大きくなるようなら再度の診察をお勧めします。
文責:県立広島病院乳腺外科 野間翠