手術病院と地域連携クリニックの連携が不安です

2020年9月1日   

先日術後一年で連携クリニックに行きました。
連携先の先生はこれまでの経緯と今後の方針をざっくりと述べられました。
手術先の医師はマンモグラフィーするように言ってたのでして貰って、
連携先「血液検査はいつ頃しましたか?」
と聞かれたので5月と、答えました。(簡単な血液検査だけで腫瘍マーカーなどは一月以降調べてないことは聞かれないので言ってない)タキサン系の副作用とホルモン療法の副作用で湿布を何度も処方して貰ってたのに、カルテに記載がないからどんな種類の湿布かわからない、とも言われました。

質問ですが、カルテの内容は連携病院はどこまで見ることが出来るのですか?。
そしてカルテの記載に処方薬の抜けが有ること、行った血液検査の時期や内容を書かないこは普通のことなのですか?といいますか、手術先の病院の治療内容、副作用、副作用の薬、其の時々の患者の訴えなど、どこまで記載され連携先クリニックはどこまで把握して頂けているのですか?

クリニックとなれば薬の関係で通院も1ヶ月毎です。生活が忙しいので大変です。術後に聞いていた計画書は三ヶ月毎に手術先の病院とクリニックを行ったりきたりで検査と言うことだけでした。

一般的に、医療機関の地域連携の際には、手術病院から連携クリニックへ、診療経過が記載された紹介状に検査結果や検査報告書の写しを添え、文書としてお手紙として、送付します。カルテそのものを紙に印刷したり電子データにしたりして送ることはありません。最近は、契約医療機関の間で厳重なセキュリティが担保されたインターネット回線をつなぎ、他の医療機関のカルテを閲覧することもできるようになりました(たとえばHMネットなど)。ただ、まだ一部の医療機関で行われているのにすぎませんし、閲覧できる内容は各々の医療機関で異なります。いずれにしても手術病院での全ての診療情報が連携クリニックへは届くことはありませんので、不足時必要時には、電話やお手紙で手術病院へ確認をとっています。逆に、手術病院が連携クリニックでの情報を知りたい時も、同様に電話やお手紙で確認します。

診療連携は、いくらシステムを整えたとしても、最終的には患者さんと医療者との関わりです。おそらく滞在時間1時間にも満たない連携先での1回目の診療で、前医療機関において月単位・年単位で培われた信頼関係をすぐにまかなえるとは到底思いません。回数をかさね、オープンマインドで、風通しの良い信頼関係を作ることができればと考えています。 どうしても受け入れられないときには、手術病院に相談されて構わないと思います。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行