手術後の治療について、ホルモン療法だけでいいのでしょうか?

2020年9月11日   

8月に乳がん全摘手術をしました。
浸潤性小葉がん2.2mm 2a リンパ、脈管侵襲共に浸潤なし 核グレード2 組織学グレード2 ER、PgR共に強陽性 HER2マイナス Ki67 30% 閉経前です。

今はゴセレリンとタモキシフェンで治療中です。
乳がん学会のガイドラインなどを読んだところKi67の値が高い場合は化学療法も併用するのが望ましい、ということが書いてあったと思います。
先生にも化学療法のことをお聞きしたのですが、やらなくてもいいとの事でした。浸潤性のがんはがんが発生した時点で既に転移が始まっているとも聞き不安です。必要であればオンコタイプをやりたいと思っていますがもしそれで再発率が高かった場合、ホルモン治療を開始した後に化学治療を受けることは可能でしょうか?よろしくお願いいたします。

 

 

浸潤性小葉癌 2.2㎜ 脈管侵襲なし 核グレード2  ER、PgR 強陽性  HER2マイナス Ki67 30% とのことですが、浸潤径は2.2㎜なのでしょうか。浸潤径2.2㎜でセンチネルリンパ節転移がない場合は T1aN0M0 StageⅠということになります。その場合は海外のNCCNガイドラインなどでも示されているように浸潤径が5㎜以下の場合はOncotypeDXの検査も積極的に必要ではなく、今のホルモン療法のままでよろしいと思います。

また浸潤径が2.2㎜でなく22㎜つまり2.2㎝でしたらリンパ節転移がなくてもT2N0M0 StageⅡAということになります。化学療法を考慮する場合にOncotypeDXを検査することは問題はないと考えます。(OncotypeDXは自費診療ですので40万負担になります)

ただOncotypeDXの結果のみで化学療法を決めることはありません。総合的に判断して化学療法が必要であるかを決めていきます。現時点で主治医の先生が、化学療法が必要と判断した場合は、一度、ホルモン剤を中断して化学療法をするべきと考えます。ただ、主治医の先生が必要ないと判断した理由があると考えます。御不安なお気持ちはわかります。そのお気持ちをもう一度主治医の先生にお話しなさってはいかがでしょうか?

 

文責:呉医療センター乳腺外科 板垣友子