抗がん剤治療中ですが、インフルエンザ予防接種をしても問題ないでしょうか?
トリプルネガティブ・ステージⅡbで、
※10/14 白血球数0.8 10^3/μL ・ Segment, Neutro 19.2%のため、ノイトロジン100μg注射
10/21 白血球数5.2 10^3/μL ・ Segment, Neutro 62.0%
10/28(ドセタキセル 2回目当日) 白血球数4.5 10^3/μL ・ Segment, Neutro 72.2%
10月28日に2回目投与後、
次回採血は3回目ドセタキセル投与の11月18日になります。
治療中の医院とは別のところでインフルエンザ予防接種の予約を1
担当の腫瘍内科の先生に聞くと、
1回目の白血球数、好中球数の戻り具合からすると、
あまり気にする必要がなければ、
長々とすみませんが、ご回答をよろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、血液中にできた抗体により、肺炎や脳症などの重症化を予防することです。インフルエンザワクチンの予防接種については、乳癌診療ガイドラインによると、化学療法開始前(少なくとも2週間前)の実施が望ましいとされています。それは、抗体産生にインフルエンザワクチン接種から2週間かかることと、化学療法中は、健康人と比べて抗体産生能が劣る可能性があるからです。
では、質問者様のように化学療法中の方は、接種時期はいつがよいかというと、乳癌診療ガイドラインには、骨髄機能の最下点(nadir ナディア)の時期を避けて接種することが望ましいと記載されています。ドセタキセルの場合、nadirは10-14日目くらいですので、ワクチン投与予定日の11月16日はnadirから回復している時期です。質問者様のお考えのように、1回目投与の結果からも、11月16日は骨髄機能は回復している可能性が高いと思います。この時期の接種であれば、効果は十分にあると思います。
また、安全性については、化学療法中のインフルエンザワクチン投与により、特に重篤な副反応が増加するという報告はありません。接種部位の疼痛、頭痛、鼻汁、疲労感、微熱といった軽度の副反応を10%程度認めるのみです。安心して接種していただければと思います。
文責:尾道総合病院乳腺外科 吉山知幸