石灰化があり、マンモトーム生検をしたところ浸潤がんとの診断で全摘手術をしましたが、 手術で摘出したものにがん細胞が無かったとのこと。 生検で全てのがんが取り切れるという事はあるのでしょうか。

2020年8月11日   

石灰化があり、マンモトーム生検をしたところ、浸潤がんとの診断で全摘手術をしました。術後病理結果を聞きに行ったところ、手術で摘出したものにがん細胞が無かったとのこと。
マンモトーム生検で採取したものが癌の全てだったとの説明でした
生検時は一度吸引したのみです。生検で全てのガンが取り切れるという事はあるのでしょうか。

結論を申しますと、可能性としてはありえます。マンモトームはかなり大きな組織を取りますので、2~3ミリのがんであれば取り切れる可能性はあります。他の可能性としては、手術したものの病理診断で見つけられていないということもあるかもしれません。10センチくらいある摘出乳腺を例えば1ミリ毎に切っていくことはできませんので、小さい残遺がんなどは見逃されてしまうことはあるかもしれません。いずれにしても、マンモトームでの診断は確定ですので、乳がんはあったことは確実です。さらに、乳がんが非常に小さいのも確実です。ですので、マンモトーム生検での病理診断に従って治療を選択して下さい。

他の手段としては、手術前に石灰化があったとのことですが、摘出乳腺をレントゲンで撮影すれば石灰化が残っている部位は同定されます。その付近をもう一度検索すれば乳がんが見つかるかもしれませんが、それでも治療法は変わらないと思います。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行