腫瘍マーカーが少し高いのですが心配ないでしょうか?

2020年11月14日   

2018年3月に右全摘後フェマーラを服用中の57歳です。
CEAが去年5月5.7、7月5.3、8月4.2、11月5.0 今年2月5.3(CT異常なし)、8月5.4、本日5.4です。(たばこは一度も吸ったことがないです)
主治医の先生は、再発ならドーンと上昇するからとあまり心配しないようにとのことですがすっきりしません。定期的な血液検査でいいものでしょうか。

質問ありがとうございます。
結論から申しますと心配いりません。乳がんの術後の定期検査でよく測定されるCEAやCA15-3、NCC-ST-439はもともと基準値より高い方は比較的よく遭遇します。そのような患者さんの場合は主治医の言われるように急上昇した場合や明らかな上昇傾向の場合に全身の画像検査に進みます。
腫瘍マーカーはあくまで補助的な検査であって絶対的なものではありません。また、再発していても腫瘍マーカーが正常な症例も多く存在します。
CEAが上昇する原因としては乳がんなどの悪性腫瘍以外にも、喫煙や腎機能低下、加齢、肝機能障害、糖尿病など「がん」でなくても上昇を来します。
ご心配だとは思いますが、主治医も含め医療従事者としてはみなさんが思っているよりは「腫瘍マーカー」に対して絶対的な信頼はしていません。
これから医学が発達し、より鋭敏な血液検査ができるといいのですが、現状ではこのユルい「腫瘍マーカー」に頼らざる得ないのが現状です。
文責:秋本クリニック 秋本悦志