良性のしこりも抗がん剤で小さくなるのでしょうか?

2020年11月17日  , 

ステージ1の早期の乳がんと診断され、部分切除(温存手術)をし、病理結果で顔つきの悪いタイプだと分かり、術後抗がん剤をしています。
良性とのことで手術をしていない3ミリから6ミリ程度のしこりが左右の胸に何個かあったのですが、EC療法をはじめて2ヶ月ちょっとの間でエコーの画像上ですべて見えなくなりました。
そこでいくつか質問があります。

1.良性の繊維腺腫も抗がん剤をすることにより短期間でこのように見えなくなるほど小さくなることがあるのでしょうか?

2. 実際に何だったのかを今から調べる方法はありますか?見えなくなる前のしこりはMRIで指摘されていたので再度MRI等をすれば分かるのでしょうか?

3.全く何もなくなっていた場合はもともとの治療のみをして、あとは安心して過ごしてよいのでしょうか?

抗がん剤の治療をよく頑張っておられますね。
線維腺腫は 良性腫瘍です。
一般的に10歳~30歳代に大きくなることが多い腫瘍です。
乳がんとは関係ないとされています。
抗がん剤治療が著効して線維腺腫が消失する可能性は極めて低いように思います。
ただ線維腺腫は閉経後に縮小することがあります。
抗がん剤治療をなさると、 卵巣からの女性ホルモンの分泌が少なくなって 閉経状態になったり、あるい閉経状態に近づく場合があります。
閉経状態あるいは閉経状態に近づくことで線維腺腫が縮小することはあるかもしれません。
乳房精密検査に乳房MRIがあります。
最初の診断が線維腺腫で確定しているのでしたら、 超音波検査での定期的な経過観察を行い、 追加で乳房MRIは必要ないように思います。
治療中はたくさんの不安なことがあるかと思いますがぜひ前向きに、主治医の先生とよく相談して治療を頑張ってください。
文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行