術後2週間ですが、手術をした乳房のしこりが気になります。再発でしょうか?

2020年3月9日   

乳がんで、2週間前に乳房温存手術を受けたものです。センチネルリンパ節生検の結果リンパ節転移は認められず、今後は病理検査結果がで次第、全身治療開始といわれています。術後最近、手術した側の脇の下に痛みとしこりがあります。これは転移なのでしょうか?エコーでは血の塊などは認められず採血でも、炎症所見はないとのことで不安です。胸に溜まった水は抜いてもらいましたが、それでも脇の痛みはかわらずしこりも触れます。こんなに早く転移してしまうものなのか、それとも別の理由なのか不安ですおねがいします。

2週間前に乳房温存手術(乳房部分切除+センチネルリンパ節生検)を受けられ、腋窩に痛みとしこりがあるとのことですが、手術後2週間で転移が起こることは考えにくいです。おそらくセンチネルリンパ節を摘出した時にできる腋窩の空隙(すきま)を糸で縫合したことによってその部分が固くなり、しこりのように触れるのではないかと考えます。また、腋窩の傷を縫った糸が吸収されるまでの過程で一時的にしこりのように触れることもありますので、その他の原因として考えられます。

超音波検査や血液検査では異常所見はないとのことですので、それほど心配されることはないでしょう。手術の操作が加わった部分は瘢痕組織となるため、手術後もしばらくはしこりのように触れることはよくありますので、経過を観られてもよいと思います。

 

文責:県立広島病院乳腺外科 尾崎慎治