針生検とMRIの結果が異なります。どうしたら良いでしょうか?

2021年7月26日   

経過観察中であったしこりが大きくなってるため、針生検をしたところ、癌が見つかりました。病理検査報告書には、「浸潤の有無は確定困難」と書いてあり、ただガンはガンなのでと手術のできる病院に転院するよう言われ、転院先の病院でも持ち込んだテンプレートで病理検査をしたところ「非浸潤がんステージ0」と言われました。
質問1)
病理検査の施設によって、診断は異なるものなのでしょうか?

しかし、手術に向けて様々な検査をしたのですが、非浸潤がんで見つかってよかったと思ったの束の間、MRI結果では
非浸潤がんと言われていた部位は「浸潤がん」と診断されました。

質問2)
針生検とMRIの結果がこのように異なることはよくあることなのでしょうか?どちらが信憑性高いですか?
非浸潤がんと浸潤がんは、術後の治療も大きく変わると理解しています。
広がりを調べるMRIで浸潤がんと出たからには、転移の可能性も高いという事ですか?

そして、このMRIでは別の部位の指摘もありました。
1年半ほど前に針生検をし乳管内乳頭腫と診断されたしこりなのですが、MRI結果で「非浸潤がんの疑い」と出ました。
いま針生検の結果を待っているところですが、

質問3)
もし針生検の結果、非浸潤がんではなかった場合、このまま経過観察にするべきか、今回の手術で一緒に摘出して病理検査してもらうべきか、迷っています。
主治医は乳管内乳頭腫ならば経過観察でよいと言いますが、
乳管内乳頭腫と非浸潤がんの見分けは難しいと何かで読んだことがあり、MRIでは非浸潤がんの疑いと出てるのは事実なのでこれは摘出した方が良いのでは?とも思います。

ご意見お聞かせください。
宜しくお願いいたします。

質問1)
病理検査の施設によって、診断は異なるものなのでしょうか?
→実際に異なることはこれまでも経験しています。乳がんの診断に詳しい病理医とそうでない病理医はおられますので。然り、乳がんと診断されたら乳がんの治療をするべきです

質問2)
針生検とMRIの結果がこのように異なることはよくあることなのでしょうか?どちらが信憑性高いですか?
→針生検の結果が絶対ですので、その診断に従ってください。ただ、大きな非浸潤癌の一部に浸潤癌があることはよくあります。最終的には切除したもので診断します

質問3)
もし針生検の結果、非浸潤がんではなかった場合、このまま経過観察にするべきか、今回の手術で一緒に摘出して病理検査してもらうべきか、迷っています。
主治医は乳管内乳頭腫ならば経過観察でよいと言いますが、
乳管内乳頭腫と非浸潤がんの見分けは難しいと何かで読んだことがあり、MRIでは非浸潤がんの疑いと出てるのは事実なのでこれは摘出した方が良いのでは?とも思います。

→腫瘍を全て切除しないと乳がんの診断がつかないことはよくあります。主治医としっかり話し合ってください

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行