HBOC BRCA1陽性、トリプルネガティブ、右胸に23×20×17mm(エコー) 1つ、右頸部リンパ節に1㎝ 1つ転移。ちょうど、のど仏の横あたりです。
頸部リンパ節に転移してるため、ステージ3bと医師に言われました。現在、術前AC治療中です。胸・首どちらも効いており、小さくなってきているそうです。その他の場所に、PET.CT.エコーでは見つかっていません。医師には、腋窩リンパ節に転移はきっとあると思う。1個なのか多数なのか、実際どうなのかは手術してみなければ分からないと、言われています。
今現在、脇に痛みや違和感、しこりもありません。同じステージ3の方は、腫瘍が皮膚の外に出ている・大きい・多数ある・脇のリンパが腫れている・痛みがあるなど、私よりも症状がある方が多いようです。私のように、腋窩リンパ節への転移、痛みや腫れの症状が見受けられず、頸部リンパ節に転移する事は、珍しい事なのでしょうか。
ネットで検索しても、頸部リンパ節への転移については情報がなく、自分の状況がわかりません。子宮頚がん検診で異形成の診断により、精密検査の結果待ちです。HBOC陽性なので、卵巣がん・子宮頚がんの発症・転移の不安もあります。頸部リンパ節への転移は、こちらが原発による可能性もあるのでしょうか。
右乳癌と診断され、右頚部（喉仏の横あたり）リンパ節に転移しており、ステージ3と診断され、現在AC療法をされているのですね。
まずステージ分類についてですが、①浸潤している腫瘍の大きさ、②領域リンパ節の転移状況、③遠隔転移の有無 によって決定します。 （詳細は以下もご参照ください。
患者さんのための診療ガイドライン2019 https://jbcs.xsrv.jp/guidline/p2019/guidline/
がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html （ステージの部分です））
質問者様の場合、頚部リンパ節転移ということですが、これが鎖骨上リンパ節に該当するということであれば、T2(腫瘍径23mmとして)N3cM0 StageⅢCとなります。同じステージ３でも、質問者様より腫瘍が大きかったり、皮膚から飛び出ていたり、脇のリンパ節が多数腫れているなど、所見は様々になります。
それを踏まえて、相談者の現状について質問があります。PET CT検査もされたようですが、現在の時点で卵巣や子宮頚部に異常集積がない場合は、乳がんからの転移と一番考えやすいと思われます。しかし、通常乳がんは同じ側の腋窩リンパ節に転移しやすいと言われているので、腋窩リンパ節に転移がなく、頚部リンパ節に転移があるのはやや珍しいことかなと思います。きちんと細胞診で悪性と診断されていれば転移なのですが、CTなど画像だけで診断した場合、反応性リンパ節のこともあります。また、近くに甲状腺もありますのでそちらからの転移の可能性はないでしょうか？画像診断と転移部位が矛盾する場合には、細胞診だけでなく針生検を行えばどの臓器からの転移かもわかります。
腋窩リンパ節に本当に転移がないかどうかは、主治医の先生が言われるように、手術でとってみないとわからないと思います。
またトリプルネガティブなので、抗がん剤がとても効果があった場合には、治療前から転移があったかどうかわからないことがあるかもしれません。
色々不安もあると思いますが、これから続く治療を無事継続できますようお祈りしております。ご質問ありがとうございました。
文責：広島総合病院乳腺外科 梶谷桂子、広島大学病院乳腺外科 角舎学行