1.2センチのしこりですが、細胞診、組織診ともに悪性ではありませんでした。信頼してもいいでしょうか?

2021年1月25日   

一年前になかったしこりが、1.2cmで発見され、医師からは半々の可能性と言われました。細胞診をしクラス2。安心できず組織診を依頼し、CNBで悪性所見なしとなりました。細胞診、組織診とも、医師の技術の差があることや、エコーで半々と言われたのも、気になっています。クリニック開業して一年の若い医師ですが、乳腺専門医です。信頼していないわけではないのですが、私の知り合いで、最初の診断が良性で、セカンドオピニオンで悪性だった人が数名ですが、いるため、不安です。
組織診CNBで採取できていない、しこりをはずした、ということは、よくあるのでしょうか?
こんなことをきくのは失礼だと思うのですが、乳がんは早期発見できる、1.2cmというのは、一年前に見落とされていたのかも?ということも考えてしまいます。

質問ありがとございます。

乳腺専門医であるならば1.2cmのしこりに対して針生検で外すということは現実的にはありません。熟練度にもよりますが3mmぐらいのしこりは狙って取れます。もちろん「絶対」はありませんが「外した」可能性は極めて低いものと考えられます。
また細胞診と組織診の「診断の正確性」についてですが、あくまで細胞診は細胞のかけらから類推することになるので画像検査+α程度で正確性は低いと思ってください。また組織診は細胞の塊である「組織」を診断するので信頼性は大きく上がります。組織診の結果と実際に摘出しての答え合わせでずれることはほぼありません。感覚的には99%は合ってます。良性、悪性が変わることはまずありません。
また1年前の見落としですが、乳がんの成長速度は人それぞれ違います。「去年検診行ったのに」1cm前後の乳がんが新たに診断されることはよくあります。
組織診はまれに出血や痛みが残ったりなどの合併症が出現します。患者さんの侵襲を考え、「なるべく安全に」検査を進めたいので、組織診すればいいというわけではありません。
ご不安もあろうかと思いますが、どんな診断・検査も「100%」はありません。今後の定期的なフォローでの「変化」も良性、悪性の評価のポイントとなるので十分なフォローアップを受けてください。
文責:秋本クリニック 秋本悦志