センチネルリンパ節生検の表記の内容がよくわかりません
2020年10月23日 診断
病理の結果でリンパ節転移有無の解釈について教えてください。
センチネルリンパ節【2/2+0/1(ITC)】
レベルⅠ(0/14)
上記の場合、センチネル陽性、郭清するも転移なし、
主治医からは、浸潤部は32ミリあり、ly3+、v0のため抗が
リンパ侵襲と浸潤部が大きいですが、
センチネルリンパ節に転移があったためリンパ節郭清を受けられ、術後治療として抗がん剤(化学療法)をどうするかを決めるためにオンコタイプDXを受けられた、という状況でしょうか。
まず、病理結果の記載については、細かな記載方法は施設によって特徴がありますので、主治医に確認いただくのが間違いないと思います。センチネルリンパ節に転移があったのであれば、リンパ節転移はあった(陽性)ということになります。センチネルリンパ節は、通常レベルIリンパ節の中に含まれており、その中でも最初に転移をきたすと考えられているリンパ節のことです。センチネルリンパ節生検は、従来から腋窩リンパ節郭清が標準手術であったところ、センチネルリンパ節に転移がなければリンパ節郭清を安全に省略できる、ということを判断するために行われています。
センチネルリンパ節に転移が見つかった場合に、リンパ節郭清を行うことは一般的な対応です。質問者様の病状で、化学療法を行った方がよいかどうか、という質問に正解・不正解はありません。言い換えると、どちらもが適切と思われる治療選択肢である、とも言えます。オンコタイプDXは、化学療法を行うかどうかを患者さん自身が決めるために、病気についての付加的な情報を与えてくれるツールです。
報告書を見られたのではないでしょうか?以下が記載されているはずです。
・再発スコア
・再発率
・化学療法の上乗せ効果
・化学療法を受けなかった場合の再発スコア別の生存率
これらの結果をみて、化学療法の効果は質問者様の価値観に見合うものでしょうか?主治医の意見(もちろん私の意見も)は参考として、ご自身の価値観で判断されてください。
それが正しい決定であると信じています。
文責:広島大学病院 乳腺外科 笹田伸介