HER2陽性ルミナルB乳がんです。 EC療法をやらないという選択はあるのでしょうか?

2020年12月10日  , 

HER2陽性ルミナルBと診断され、これから治療が始まる予定ですが、最初の3ヶ月のEC療法をやめて、後半3ヶ月の分子標的薬と抗がん剤の組み合わせのみお願いしてから手術というのはどのくらいリスクもしくは効果があるでしょうか。強い抗がん剤への抵抗が強いです。よろしくお願いします。

ご質問ありがとうございます。HER2陽性ルミナルB乳がんで、術前化学療法(EC療法(アンスラサイクリンレジメン)→タキサン系抗がん剤+抗HER2療法)を勧められている状況で、アンスラサイクリンレジメンを省略したいということだと思います。しかし、腫瘍の大きさやリンパ節転移の有無がわからず、ステージもわからないので、アンスラサイクリンレジメンを省略可能かどうかを判断することはできません。しかし、この治療を勧められているということは、再発リスクは高めなのではないかと推測します。

再発リスクが高ければ、やはり、EC療法(アンスラサイクリンレジメン)とタキサン系抗がん剤を行い、抗HER2療法もハーセプチンだけでなく、パージェタも使用するフルサイズの治療がよいと思います。腫瘍がごく小さめでリンパ節転移がない場合、そもそも術前化学療法を行う必要性はなく、手術先行→術後にタキサン系抗がん剤+ハーセプチンというように、術後補助化学療法にしてもよいかもしれません。その場合の薬剤は強度を落とすことも可。

EC療法までするかどうかは、再発リスクの高さによりますので、それをふまえて治療を決めなければいけません。主治医の先生とよく相談して、納得のいく治療を受けてください。

 

文責:尾道総合病院乳腺外科 吉山知幸