術前診断では腋窩リンパ節の細胞診が悪性、針生検で悪性リンパ腫の疑いと診断され、郭清されましたが、術後病理検査では転移ではなかったと言われました

2021年1月9日   

術前生検の病理診断で同一のリンパ節に乳がん再発・クラス5(FNA)、悪性リンパ腫・疑い(CNB)と診断され、二つもがんがあるとの事で心配で腋窩郭清術を受けたところ、術後の病理診断では、乳がん再発これは偽陽性(外科医からは0~0.5%の確率)だった、悪性リンパ腫もリンパ節が過形成を伴って腫大しているので悪性リンパ腫ではない、よって追加治療無しと言われました。喜ぶ反面何か釈然としません。病理診断レポートはもらえず外科医からの説明です。生検の病理診断を確かめたいのですが、それにはセカンドオピニオンしかないのでしょうか?その場合どういうルートで?またカルテの開示請求も必要でしょうか? 疑問だらけです。

私の施設でも、画像上、リンパ節転移を疑う場合は細胞診を行い、「悪性」であることを確認して腋窩リンパ節郭清を行っています。ただ、一般的に細胞診は確定診断ではなく、数%は偽陽性があると考えられています。そのため、このようなことは私の施設でも起こりうることなので、他人ごとではなく思います。

しかし、現在の診断ではこれ以上の診断は難しいのではないでしょうか。逆に、「細胞診で悪性なのに腋窩リンパ節郭清しなかった」場合の方が、医師は責められるべきではないかと考えます。カルテ開示してもらい納得するという選択もいいかもしれませんが、医師の説明が真実であれば、診断の限界のようにも思われます。もちろん、リンパ節転移がなかった、という事実は、患者さんに取っては非常に良かったと思います

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行